神戸新聞文芸(神戸新聞 2024/5/20月付朝刊 14面読者文芸欄)で
ショートエッセー(3枚)
「神戸人形と吉田太郎さんのこと」が入選・全文掲載されました。
選者の三浦暁子先生、ありがとうございます。
★
神戸人形の作者・吉田太郎さんへの追悼文として書きました。
「神戸人形」を復興させた吉田太郎さんの偉業は絶対に語り継がれるべきです。
5/5㈮、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて出している「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言(緊急事態宣言)を終了すると発表しました。
また国内でも、明日5/8㈪から、感染症法上の分類区分が2類感染症(ポリオ、結核、ジフテリア、鳥インフルエンザ=新型インフルエンザなどと同等)から5類感染症(季節性インフルエンザ、梅毒、風疹、麻疹などと同等)に移行します。
ですが、個人的に、マスクを外すのは時期尚早だと考えています。
理由として
●弱毒化しているとは言え、新型コロナウイルス感染症の後遺症がきついーー味覚障害、嗅覚障害、ブレインフォグなど多彩かつ厄介であること。
●3/13以降、政府が「マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、ご配慮をお願いします」のメッセージを出してから、特にこの1ー2週間、感染者数が増えていること
●国および兵庫県の感染フェーズが下げ止まっていること(現時点、終息の気配がないことを意味します)。
●WHOが、名指しこそしなかったものの、おそらく日本政府の対応に懸念を表明していること。
The worst thing any country could do now is to use this news as a reason to let down its guard, to dismantle the systems it has built, or to send the message to its people that COVID-19 is nothing to worry about.
(いずれの国においても今やることで最も悪いことは、この緊急事態宣言終了のニュースを感染予防の取り下げる理由として使うこと、すなわち、作り上げ行ってきた感染予防策を解除する、あるいは、人々に新型コロナ感染症は恐るるに足らずというメッセージを送ることです。 拙訳:若干意訳しています)
以上のことから、引き続き、ひとがいるところでは極力不織布マスクの着用をお願いしたいと思います。※屋外で他人との距離が2-3m以上あればマスク着用の必要はないと思われます。
それでは、「いつになったらマスクをつけなくてもいいのか?」ということになりますが、
■検査陽性率5%未満が2週間以上続いたとき
■国および県の感染フェーズがⅠ(最も軽い段階)になったとき
↑
要するに、感染源や感染状況がほぼ特定できるようになったとき
だと考えています。
***
はりねずみのハリー鍼灸院のような零細鍼灸院にも、去年の夏以降、コロナ後遺症鍼灸で治らないかどうかという電話問い合わせが毎月〜2ヶ月に一件程度ですが続いています。
新型コロナに限らず、感染症は罹らないに越したことはありません。(感染症に罹らなくても根性をつけることはできます)
最後に、あらためて
No-one is safe until everyone is safe .(みんなが安全になるまで誰も安全ではない)
であることは、確認しておきたいと思います。
以上、長文になりましたがマスク着用についての個人的見解を述べました。
参考にしていただければと思います。
お大事にしてください。
2023/5/7
はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平
あけましておめでとうございます。
みなさまのご多幸とご健勝を心よりお祈りします。
大阪道修町の少彦名神社(神農さん)の張り子の虎「大福虎」です。きょう(2022年1月1日)、初詣でいただきました。鍼灸院に飾ります。
ーーー
わたしの鍼灸の恩師である、故・佐伯正史(*)先生が、
「ぼくは、野球は近鉄(大阪近鉄バファローズ)が一番好きなんや。今のオリックス(バファローズ)ね」
と言われたことがありました。
「あのチームは、みんな一生懸命やりおるんや。手を抜かない。一生懸命やるんや」
……「冬来りなば春遠からじ」というシェリーの詩の一節もよく言われていた佐伯先生を、先生の言葉を、この頃懐かしく思い出します。
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「大阪近鉄バファローズ」の精神で、日本に「春」を齎す心意気で、整々と仕事をします。
本年も倍旧のご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
2022年 1月1日
はりねずみのハリー鍼灸院
本木晋平
(*)佐伯正史先生 兵庫県鍼灸師会会長や兵庫鍼灸専門学校理事長(創設者)を歴任された、戦後の兵庫県を代表する鍼灸師。
ーーー
『医道の日本』第736号(平成17年2月号) 2005年 に掲載された
「
」
石井百雄1, 生江毅2, 渡邉まゆみ3, 佐伯正史*4
*1(社)新潟県鍼灸師会, *2はり灸陰陽堂治療院, *3新潟リハビリテーション専門学校鍼灸科, *4(社)兵庫県鍼灸師会
医道の日本 64(2): 11-23, 2005.
から、佐伯先生の言葉を引用します。
先生は1995年の阪神淡路大震災でご自身も被災された中、鍼灸ボランティアとして活動されました。今でいう、鍼灸の「プロボノ(社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動)」です。(プロボノ:「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」が語源)
引用文中の「現場」は「鍼灸プロボノの現場」、「あの震災」は「1995年の阪神淡路大震災」のことです。
佐伯:確かに、若い人に現場を見せてあげたいです。いわゆる医療人として生きていくための奉仕精神といいますか、そういう面を伸ばすのは大事です。1人の人に鍼灸の良さを知っていただくと、それが輪として広がっていきます。 何も鍼灸師の繁栄だけを考えるんじゃなくて、 自分たちの持ってる技術を社会還元する精神を学生の方にも肌で感じてほしいですね。何よりも、その先輩に当たるわれわれがそういう精神を持たないといけない。子は親の姿を見て育ちますので、これから鍼灸の資格を持ってる人たちの動きが、すごく重要になってくるでしょう。(pp.22-23 , 医道の日本 64(2): 11-23, 2005. )
佐伯:鍼灸のアピールという面だけでなく、何よりも一人の人間として何かこの社会に還元していきたいという考えが根本にないと、そういうことはできないでしょうね。でも、明日はわが身ですから。私がそういう気持ちになったのはやはりあの震災が大きかったし、本当に貴重な体験になりました。人さまのお役に立つなんて大層な言葉は使えないけれど、やっぱり経験しないと、なかなかピンとこないものがありますからね。そういう意味でも、実際にその中に入って、自分の目で確かめることが大事ですね。(p.23 , 医道の日本 64(2): 11-23, 2005. )
あけましておめでとうございます。
2021(令和3)年も、
はりねずみのハリー鍼灸院をご愛顧くださいますよう、
お願い申し上げます。
旧年2020年は新型コロナウィルス感染症による
「100年に1度」レベルのパンデミック(感染症の世界的流行)が起きました。
生活様式がこれほど劇的に変わったのは、
少なくともわたし(本木)が生まれた1976(昭和51)年以来、
初めてではないかと思います。
はりねずみのハリー鍼灸院は、これまで通り、
各種の感染症の予防策を講じた上で鍼灸施術を続けていきます。
その上で、新型コロナウィルス感染症に「静かに」戦います。
「静かに」とは、「可能な限り科学的根拠=道理に基づいて」ということです。
威勢のいい精神論を振りかざせばどうにかなる御しやすい感染症ではありません。
国民の「民度」や「自助」や「絆」で抑え込めるような甘い感染症ではありません。
しかし、慌てたり震えたりするしかない感染症でもありません。
どうすれば感染を予防できるか分かっているからです。
そんな中、各種のデマや陰謀論に乗じたり感染者をバッシングしたりするなど、悪質な迷惑行為でしかありません。できるはずの感染拡大防止ができなくなってしまいます。怪情報を発信・拡散するほど暇なら読書や外国語の勉強でもしたらどうかと言いたくなるほどです。
ともあれ、ひとりの医療従事者、一つの医療機関として、
できることを「静かに」行うことを、みなさまにお約束します。
2021(令和3)年1月1日
はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平
鍼灸の業界誌『医道の日本』2020年6月号に、
わたしのコメント「専門学校の先生ならどう選ぶ」(1000字程度)が掲載されました。
(著作権法の関係で詳細を書けなくてごめんなさい)
2020年3月19日(木)付の
神戸新聞 朝刊12面の「日々小論」に
わたし(本木晋平)のプロボノ活動(※)についてのコラム
小説「ピーマン祭り」 編集委員・森玉康宏が掲載されました。
https://www.kobe-np.co.jp/column/hibi/202003/0013203938.shtml
ぜひご覧ください!!
(※)毎月最終日曜日の午後、
ビッグイシュー大阪事務所(大阪・堂島)でボランティア施術をしています。
主に中国で流行している新型コロナウィルスの
国内感染が確認され始めています。
以下、はりねずみのハリー鍼灸院の見解です。
WHO(世界保健機関)や厚生労働省のホームページにもあるように、
まずは予防。
新型コロナウィルスに感染しないようにする。
ことが大事です。
そのために
●こまめに石けんを使って手洗いをする。エタノール(アルコール)消毒も有効。
※逆性石けんはウィルスには効果がない(普通の石けんより洗浄力が弱いため)ので注意。
●免疫力をつける。 よく食べ、よく寝て、しっかり防寒&加湿。
●むやみに顔(目、耳、口、鼻)や頭部を触らない。
●人が集まっているところに出向かない。
●糖尿病などの基礎疾患、呼吸器疾患、その他慢性疾患があれば治療を受ける。
わたしたちひとりひとりができることーー
個人ができることとしては、これで十分ですが、
不幸にも新型コロナウィルスが流行した場合、
感染拡大を防ぐために、医療機関、社会、行政は、どう動くべきか?
ーーこれは社会/行政の領域になります。
医学雑誌の論評の紹介というか受け売りですが、
世界的に最も権威のある医学雑誌の一つ、
『ランセット』(The Lancet)の、
2020年2月13日号に掲載されたコメント(論評)
「新型コロナウィルス(COVID-19)でこれからの公衆衛生にできること」
(COVID-19: what is next for public health?)
から・・・サーベイランス(医学的調査監視)とデータの蓄積などいろいろ説かれていますが、わたしたちの生活に関係しそうな部分の対策としては、
●社会活動の制限
公共の場での集会(イベントーーマラソン大会やお祭りなど)の中止
学校閉鎖(一時休校)
遠隔勤務(在宅勤務など)
自宅待機して経過観察
●感染者への(電話やネットなど)オンラインによる健康相談/指導の実施
●感染者への医療資源の提供
酸素ボンベ、レスピレータ(人工呼吸器)、体外式膜型人工肺 (ECMO)など
が挙げられています。
この論評を読んで思ったのは、
「働き方改革」に勢いをつけられるかもしれない
ということ。
たとえば、
「ちょっと熱が出たくらいで、風邪ぐらいで会社を休むなよ」
「1週間も休まれると困るんだけど」
みたいな雰囲気、ありませんか?
病気でも有休を使えず、結局消化できなくて翌年繰り越していませんか?
わたし(本木)は大学卒業後の7年ばかり、システムエンジニアとして会社勤めをしていましたが、わたしの知る限り、有休をきれいに消化していたひとは一人しかいませんでした。その彼女にしても、毎年有休を消化しきっていたわけではありません。
そうでなくても、病気にかかるほど=生活リズムが崩れ免疫力が落ちるほどの長時間労働だったり、フレックス勤務や在宅勤務をしたくても見えないハードルがいっこうになくならないこともあったりするのではないでしょうか。
今回の新型コロナウィルスをきっかけに、いっそ流行する前に、日本の労働環境を改善させられればと願いますーーいや、実際に労務環境を改善させていかなければいけませんね。
病気になってパフォーマンスが落ちたときにはしっかり休む。早退する。
従業員が勇気を出さなくても自分から静養できるようにする。
そして、働けるときにはしっかり働く。勉強やスポーツも。
とは言うものの。
はりねずみのハリー鍼灸院@西宮・門戸厄神ができることは、
疲れたら、うちにおいでよ。
鍼を打って、お灸するから。
からだも心も楽にするから。
くらいです。
でもだからこそ、少しでも質の高い治療、癒しができるよう、
引き続き研鑽を積むことを、みなさまにお約束します。