小児はり(刺さない鍼)
治療方針
鍼というと皮膚に刺し入れる鍼を想像されるかと思いますが、実は「刺さない鍼」——皮膚をなでたりさすったりする「接触鍼」という特殊な鍼があります。
お子さまのデリケートな肌に鍼を突き刺すことは決してありません。お子さまもこわがらず安心して治療を受けられます。
乳幼児から学童期ぐらいまでのお子さまに用いることが多いので「小児はり」といいます。
「かんの虫」(小児神経症)を抑える効果があることから「虫はり」とも呼ばれます。
通院頻度は、連続して3〜5日が目安です。(症状に応じます)
お子さまの
○かんの虫(小児神経症)
○夜泣き
○乳吐き・食欲不振
○不眠・小さい音で目を覚ます
○不機嫌・神経過敏
○突然奇声を上げる
○虚弱体質(かぜをひきやすい、すぐ熱を出すなど)
○夜尿症(おねしょ)
○消化不良(便秘、下痢)
○小児喘息
○アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、鼻炎など)
などでお悩みであれば、お気軽に当院までご相談ください。
〜小児はりの原理〜
生後2週間から12歳くらいまでのお子さまに使う小児はりはどうして効くのか?
皮膚に刺激を与えると自律神経に影響をおよぼします。
「体性—自律反射」と呼ばれる現象です。
(鍼灸治療やマッサージを受けた後、気持ちが落ち着き、しばらく横になりたいほど眠くなったり体が温かく感じられたりするのは、この「体性—自律反射」の作用によるものです)
各臓器・系統の発達度をグラフにした「スキャモンの成長・発育曲線」によると、神経系統は他の臓器よりも発達のスピードが速く、4−5歳で成人の80%、6歳で成人の90%まで発達します。
一方、他の臓器の発達度は、6歳でも成人の40%程度。
皮膚刺激が神経に与える影響は子供の方が大人よりも大きい——この性質を利用したのが小児はりです。
余談ですが、当院では成人にも小児はりを多用しています。
お子さまに比べて効きにくいというだけで、効かないわけでは決してありません。
自律神経失調症や消化不良、意外なところでは慢性腰痛にも効果を発揮します。